オグ・マンディーノ「世界最強の商人」こそ「世界最強の自己啓発本」である。

最近読んだ本で、印象に残っている本が、オグマンディーノの世界最強の商人という本です。

1968年刊の割と古い本なのですが、購読しているメディアなどで立て続けのこの本が取り上げられていたのをきっかけに、Kindleで購入しみました。

古い本という響きから、正直あまり読む気がしなくて、長い間積読状態になっていたのですが、試しに序盤を読んでみたら、見る見る引き込まれてしまい、あっという間に読み終わってしまいました。

自己啓発本の定番といえば、スティーブン・コヴィーの「7つの習慣」や、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」、ジェームズ・アレンの「「原因」と「結果」の法則」などが思い浮かびますが、これらを読んで来た僕からしても、「世界最強の商人」は非常に感銘を受ける内容でした。

世界最強の商人のあらすじ(ネタバレあり)

本の中身は、自己啓発本としては珍しい、小説形式になっています。

教えを守ると世界最強の商人になれる ― ある善行がきっかけで、少年ハフィッドは師から突然、成功のための秘訣が書かれた10巻の巻物を譲られた。巻物の教えに従い大成功した彼は、巻物を継ぐにふさわしい人物を密かに待ち続ける。時は流れ、年老いたハフィッドを埃まみれの青年が訪ねてくる。二人を結びつけたのは“奇跡”だった…。人生の成功の原理と真実を説き、世界中の経営者たちが愛読した名著(GoogleBooksデータベースより

原則を学んだら、あとはどれだけ実行できるか

果たしてどんな言葉が実際に書かかれているのかというのは、本を読んでのお楽しみなのですが、少しだけネタバレしてしまうと、「成功の秘訣って、たったこれだけなの?」というような内容になっています。

この本のエッセンスは、ビジネスに限らず、人が何かを成し遂げるための要素は、実はそれほど複雑なことでないということ。しかし、そのシンプルな原則を、いかに身体に染み込ませ、やり通せるかが大事だと説いてます。

これは幾多のビジネス書に手を出して、読んで満足して何もしないタイプの人にはハッとさせられるのではないでしょうか。

石橋を叩いて渡らなければ先に進めず、いつまで経っても「勉強」だけしている人は、結局何者にもなれない、という話をよく聞きます。

逆に、成功している人ほど、すぐに行動に移し、迷いが無いように見えますよね。

僕自身も、そうした傾向があるので身につまされる思いです。

◯◯◯◯誕生の話

この本が秀逸だなと思うのは、小説として「読ませる」展開も上手なところにあります。

先に述べたような秘伝の巻物の無いように加え、終盤にもう1つ、ある謎が明かされるシーンがあります。

序盤、ハフィッドが若かりし頃にある人助けをしたことがきっかけで秘伝の書との出会いに繋がるシーンがあるのですが、その人こそ、世界中の人々が良く知る人物であった、というオチです。

こうした「読ませる展開」や、そこに述べられている人生の教訓もまた、秘伝の書に書かれた10か条の大切さを補足するエピソードとして優れています。

この本は、京セラ創業者の稲盛和夫さんの監修による、「地上最強の商人」という「実践編」の追加された別名の書もあるようです。値段も高額で、装丁も豪華仕様となっていますが、本編である「世界最強の商人」は、文庫やKindleで手軽に読めるようになっています。




ABOUTこの記事をかいた人

最後までお読みいただきありがとうございました。 精神保健福祉士として福祉施設の運営を行う傍ら、生活困窮家庭の子供たちに無償の学習支援教室を開催する、NPO法人街のひろばの代表をしています。様々な場所に出かけ、様々な人と出会いながら、生きづらさや、挫折を抱えても、常識に縛られることなく、心から楽しいと思える生き方を創造できる世の中を創ることを自分のミッションとしています。