GWにミャンマー旅行に行ってきました。
その際、ヤンゴンからバガンについての鉄道での行き方について調べたのですが、情報が少なく、チケットを手に入れるまでに結構苦労したので、僕が実際に鉄道で移動した際に得た情報を紹介します。
ミャンマーの鉄道は本当に「最悪」なのか?
ミャンマーの鉄道について調べると、よく目にするのがレールと電車の老朽化がひどく、揺れがひどすぎて乗れたものではないという噂です。
その他、
- エアコンが無いので暑い
- 夜は窓から虫が入ってくる
- トイレのドアが壊れていて部屋中が臭かった
- トイレの水から蚊が湧いていた**
等の記事を見かけました。
これまでインド、タイ、ベトナムの長距離列車に乗ってきましたが、ここまで悪い話しか聞かない鉄道は始めてで、正直、乗るのをやめようかと迷いました。(笑)
加えて、予約が難しいという記事も見かけました。
僕も宿泊予定の宿に予約を代行してもらおうと打診したのですが「本人以外が代理でチケットを取るためには手続きが複雑なので、可能であれば直接に駅に行って買ったほうがいい」との返事をもらい、鉄道の移動を諦めかけたほどです。
今まで乗った海外の鉄道は、ネット予約か、宿に手配を頼めば必ず乗れていたため、チケットの入手で苦戦したのは今回が始めてでした。
ですが、結論から言えば、ネット予約で自力でチケットを手配することができましたし、実際に乗った電車も(椅子がボロくてベッドの設置に手こずるなどのトラブルはありましたが)意外に快適だと感じました。
ちなみに僕は、旅慣れたバックパッカーのように、どこでも寝れるというようなタイプではありません。
大の虫嫌いですし、汚い部屋、エアコン無しの部屋も基本的に泊まりません。
そんな自分が、ミャンマー鉄道について旅の前に聞いていた噂と、実際の経験とを照らし合わせて検証してみたいと思います。
噂その1:列車の揺れとスピード

ネットでの記事を見ると、横揺れではなく縦揺れがすごいということでしたが、僕の体験から言うと、「そんなにすごい揺れかなぁ?」というのが素直な感想でした。
スピードに関しても、自転車に追い抜かれるほど遅いと書いてある記事を目にしたのですが、実際は普通に電車のスピードで走っていたので、自転車に抜かれるということはありませんでした。笑
インドでもベトナムでもタイでも、町中の鉄道沿いには沢山の家や屋台があり人も多いため、安全を考慮してスピードが遅いだけで、電車の性能が悪い訳ではありません。
ミャンマーもその辺は同様で、中心街を出るまでは、鉄道沿いに沢山の建物が並んでいるため、必然的にゆっくり走っているだけでした。
噂その2:客室のクオリティ

ミャンマー鉄道の寝台車両は、ベッドで寝ることのできるタイプの寝台車両は、基本的に個室(これをコンパートメントと呼ぶらしい)となります。
個室というのは文字通り、部屋という意味なのですが、ミャンマー鉄道の場合それが更に本格的になっており、廊下も無く、隣の部屋への行き来もできません。
ちなみにトイレは各部屋に付き一つずつ付いています。他には倉庫のような小さい個室が備わっていました。
個室には、窓際で向かい合わせになった座席(これを倒し、ベッドにするとが可能)が計4つあり、上段にもベッドがあります。
これが一人分に与えられたスペース(4座席+上段ベッド)です。
そのため車内はかなり広々と使えます。部屋にはこのタイプの座席が2セットあるのみ。
つまり、個室1部屋につき、旅行者2名というのが僕の乗った鉄道の形式でした。
乗車する際も、車両の端から乗るのではなく、一両の車両の中で、壁が仕切られており、自分のチケット番号専用のドアから乗る形となります。
万が一別の車両に移動したい場合は、停車中に自分でドアを開けて外に出て、別の部屋専用のドアから中に入る形となります。
ですが、そのようなことは停車中しかできないため、基本的に車両の移動はできないと思ったほうが良いでしょう。
ちなみに駅での停車時間もさほど長くないため、車両を行き来する時間的余裕はほとんどありません。
噂その3:夜の客室は虫だらけ?

以上のように、かなり豪華な仕様であることは間違いないのですが、何分電車自体は古いため、全車両ともエアコンは無く、扇風機一台が天井にあるのみです。電車が走り出せば、風が入ってくるため十分涼しいですが、夜間に窓を開けていると、電車の停車中に窓から漏れる明かりに引き寄せられて大量の虫が入ってくるのは噂通りでした。
電車は夜間、山間部や田舎道を走るため、虫の侵入に気づかないでいると、後から追い出すのがかなり大変です。僕は、日没後の停車駅でわずか数分窓を開けっぱなしにしていただけで、電球に虫が大量に集まっただけでなく、上段ベッドに用意してあった未使用のシーツにも大量の羽虫が集まってしまい、追い出すのが大変でした。
その対策として、以降は同乗者と相談して、移動中は窓を開けつつも、電車が駅で停車してい期間だけはお互いの窓を閉めて虫を入れないよう試みました。
なお、客室の電気は自分達で消すことができるので、消灯した後は虫は入ってきませんでした。
ですので虫対策としては、早めに消灯するか、窓を締めるかが有効ですので、そのどちらかを行うことは強くオススメします。
噂その4:ミャンマー鉄道のトイレ

トイレは地面にそのまま落とすタイプのもので、清潔ということはありません。
ですが、僕が乗車した際は、清掃は綺麗にされており、前の乗客の使用跡があるということは全くありませんでした。
つまり、単に古くてボロくて見た目程度には臭い、ということを除けば、しっかり手入れされているいわるゆ普通の(東南アジアで見かけるタイプの長距離列車の)トイレという印象でした。
鍵はもちろんあるのですが、強いて問題があるとすれば、老朽化しているため施錠に力が要り、きちんとロックするのに若干コツが必要だったということです。
そのためしっかり鍵を閉めないと、列車の振動でドアが勝手に開いてしまうため、確かにトイレのニオイが室内に入って来ることはありました。
ですが、初めにきちんと鍵のかけ方をマスターし、入退室時にしっかりと鍵をかけておけば、ドアはしっかり閉まってくれるため、乗車中不快な思いをすることはありません。
ただ、トイレに電気は無いので、夜間は真っ暗になります。
これだけは過去に乗った海外の鉄道には無い仕様のため、事前に対策が必要です(僕は腕時計にライト機能があるため、それを使いましたが、スマホは落下の恐れがあるため、あまりおすすめしません)。
噂その5:乗車中に飲食物の買い物はできない?

ヤンゴンからバガンまではおよそ18時間の旅です。半分は夜間のため、寝ていればさほど気になりませんが、夕食と朝食は基本的に車中で摂ることになります。
これも事前にネットの記事で目にした情報ですが、ミャンマー鉄道に乗っている間は食事が買えないので、事前に買い込まないと水も飲めないとの噂でした。
これに関しては、実際は、乗車時に食堂車のスタッフが来てくれて、夕食と朝食をオーダーすることが出来ました。食事自体は簡素な作りでしたが、普通に美味しかったです。
ただし、移動販売は電車の構造上不可能なため、確かに水などは電車が出発する前に購入していなければいけません。途中の駅の停車時に売りに来る人もいるにはいましたが、停車時間がそれほど長くないので、ヤンゴンの駅の売店で必要な量の水分と軽食を買っておくのが望ましいでしょう。
噂その6:日本出発前にチケットの予約はできない?

結論から言うとオンライン予約可能です。これが一番寝耳に水でした。
事前に調べた限り、鉄道のチケットをネットで予約できるという情報に一度も出会わなかったことと、宿のスタッフにも「チケットオフィスに直接行ったほうがいい」と言われたため、調べもしなかったのですが、ふと思い立って検索してみたところ、あっさりと見つかってビックリでした。
なぜこの情報がネットに乗っていないのかがすごく不思議でしたが、最近始まったサービスなのでしょうか?
チケットの検索と予約は下記のサイト(MYANMAR TRAIN TICKET)で行えます。
Myanmar Train Ticket | Myanmar railway Ticket
気をつけなければならない点は、以下の通り。
- オンライン予約の対象は、一週間以上先の鉄道のみ。
- 一週間以内の鉄道は予約不可(メールで相談可能)
- パスポートのスキャン画像を送付する必要あり。
- チケットはPDF等を印刷しての乗車は不可。必ず実物をチケット受け取り専用窓口(営業時間外の受け取りは不可)に取りに行くか、ホテルに郵送(別途US8ドル必要)してもらうかを選択する。
- 予約サイトは英語のみ
僕の場合、乗車の数日前にサイトの存在を知ったため、既にオンライン予約可能な期限を過ぎていたのですが、ダメ元でメールで相談をしたら、すんなり予約OKとの返事をいただきました。しかも驚いたのが、メールのレスポンスの速さです。メールをしたら、数分以内に返信が返って来て(文面も非常に親切で)ひたすら感動でした。
ミャンマー人はホスピタリティが高い

思えばミャンマーって、宿(ゲストハウス)のスタッフさん達もそうでしたが、どこに行っても親切すぎるくらい親切で、驚くことが多かったなぁと思います。
もちろん、何も知らないことを良いことに、騙そうとしてくる人もいましたが、それでもミャンマー全体の印象は、出会う人出会う人親切で、すごく良いイメージを持ったのは事実です。
そんなこともあって、僕にとってのミャンマー鉄道は、実際の不便さよりも印象良く見えたのかもしれません。あくまでも個人の感想ということで、鉄道に対する評価はご参考までに読んでいただければ幸いです。