物書堂さんより、egword Universalが販売開始になりました。
時代が変わり、僕個人が以前ほど日本語ワープロソフトを必要としなくなったとは言え、この日をどれほど待ちわびたことでしょうか。
egword Universalとは?
僕はかつて、このソフトの愛用者でした。
当時、仕事の都合で日本語の縦書き書類を毎日作っていたのですが、Macで日本語縦書きがまともに使えるソフトといえば、EGWORDかMicrosoft Word(あとはInDesignなどのDTPソフト)しかありませんでした。
ただ、僕の時代では既にMacでもMicrosoft Wordが主流になっていましたので、unversalと名付けられる前のEGWORDは完全に亜流というイメージ。インターフェイスも好きでなかったため、僕も長らく敬遠していました。
しかし、仕事で毎日縦書きの文章レイアウトを作らねばならなくなると、Microsoft Wordではストレスが溜まってばかりで、全く使い物になりませんでした。
そこで、物は試しにと、リニューアルされたegword Universalを使ってみたところ、あまりの使いやすさに感動し、以降ずっと愛用し続けてきたという歴史があります。
egword Universalと物書堂の歴史
このソフトは、かつてエルゴソフト(ゲーム会社コーエーの子会社でもあります)という会社が開発と販売を行ってきたのですが、10年前の2008年に開発を停止し、会社自体も2009年に無くなってしまったため、入手不可能となっていました。
その後、元エルゴソフト社員の廣瀬則仁(ひろせのりひろ)さんが物書堂という会社を立ち上げ、iOSの辞書アプリの開発と販売を行うようになるのですが、物書堂の立ち上げ以来、ユーザーに公言してきたことが、Mac版日本語縦書きエディタの開発であったのです。
しかし、長い年月が経っても一向に進展が無かったのに対し、物書堂は、大辞林やウィズダム英和辞典など、iOSの辞書アプリで次々とヒット商品を連発するようになります。
そうした流れを傍目に見ていて、iOSアプリの開発を主とする広瀬さんがMacのソフトウェアの開発に戻ることは無いのでは、などという憶測も立っていたのですが、それから更に時が経ち、2017年9月、正に突然の出来事として物書堂がegword Universalの開発資産を取得したというニュースが報道されました。
egシリーズの開発資産取得のお知らせ
その後、macOS High Sierraで動作するバージョンのβテストを経て、2018年3月14日、ついに正式にegword Universalが再リリースされました。
お値段なんと3,800円(2018年4月30日以降は7,800円)。
当時、3万円近くしたこのソフトが、こんなにも気軽に買えるようになったことにも感動です。
egword Universalの何がそんなにスゴいのか?
専門的な説明は他を見ていただくとして、まず純粋に、日本語を使った書類で詳細なレイアウトを設定したい場合に威力を発揮します。

ルビ(フリガナ)の設定も非常に快適です。一度これに慣れてしまうと他のソフトに戻れません。

逆にいうと、Microsoft Wordというソフトは、普通に文字を打っていても、なぜか勝手に表示が崩れてしまったりして、当たり前のことが当たり前に出来ないということを、多くの方が経験していることでしょう。
egword Universalはその逆で、当たり前のことが当たり前に出来るソフトなんですよね。
それに加えて、本格的な文章レイアウト設定を行うこともできますので、日本語ワープロソフトとしての欲しい機能が網羅されています。
更に言うと、インターフェイスも美しく、洗練されています。それだけでも自然とソフトを立ち上げたくなりますし、創作意欲が掻き立てられます。
これが、10年以上前に登場したソフトなのですから驚きです。OSのアップデートの度に新しい仕様(ディスプレイのRetina化やファイルのクイックルックなど)が生まれてきたにも関わらず、macOS High Sierraの1つ前のOSまで、ほぼ不具合なく動作してきたということからも、いかに先進的なソフトであったか伺えます。
僕も早速購入し、使用してみましたが、やはりegword Universalに敵うワープロソフトは無いなと感じました。
Microsoft Wordとの互換性が必要ではなく、Macで日本語の書類を作成する機会の多い方であれば、セール価格の内に手に入れておいて損はありません。