以前書いた記事、Kindleの音声読み上げ機能は読書の革命である。は、おかげさまで沢山のアクセスをいただくようになりました。
当初、この記事を書いた際は、この機能を使っている人が周りに誰もいなかったので、ニーズがあるのか疑問に思いながら書いていたのですが、時が経ち、僕の好きなクリエイターの方がこの機能を紹介して下さっていたり、様々な方がSNSにシェアしてくださったりするようになったりして、多くの方に必要とされている情報だったのだと知るようになりました。
僕も相変わらず、読書はほぼKindle一辺倒ですが、Kindleは、音声読み上げ機能以外にも便利な機能が沢山ありますので、今日はそれらの機能を紹介したいと思います。
キーワード検索
文字通り、本文中の特定の語を検索する機能です。
「あれ?この単語、どこのページに出てきたっけ?」と思った時に、該当するページを検索するのが基本的な使い方です。
ですが、他の使い方として、学術書などで、特定の言葉について調べたい時にも大変便利です。
例えば以前、イスラム国についての本を読んだ際、アサド政権とかスンニー派とかいう言葉が度々登場したのですが、今ひとつイスラム国との関係性が把握しきれなかった際に、この機能を活用したことがありました。
串刺し検索も可能
高橋和夫さん著『イスラム国とは何か』を例にさせていただきますが、例えばアサドと検索すると、下の欄にアサドという文字が記述されている全てページの、検索ワードの前後の文が一覧表示されるようになります。
【方法】
- 検索アイコンをタップする

- 検索したい単語を入力する

- 該当するページと前後の文が表示されます。

この串刺し検索のインターフェイスが秀逸で、一覧を追っていくだけでも、用語の概要が理解できるようになっています。
もちろん、該当箇所をクリックすれば実際にそのページにジャンプできますし、検索ボタンをもう一度押せば、先ほどの一覧に戻ることも可能です。
本文中の用語を索引化してくれるX-Ray機能
この検索機能を応用したのが、X-Rayと呼ばれる機能です。
こちらは、予めよく登場するキーワードが「登場順」「関連度順」「アルファベット順」などで分類されていたり、「人」や「用語」などとジャンル分けされていたりして、どの言葉が多く登場しているか、どのページで多く登場しているか、どのような人物が登場しているかなどを確認することができます。
いわゆる索引に近い機能と言って良いでしょう。
X-Rayの使い方
【方法】
1.Kindleアプリのサイドメニューボタンをクリックします。

2.X-Rayをクリックします

3.X-Rayに登録されているキーワード一覧が表示されます。

4.上部のメニュータブの切り替えで、キーワードのジャンルを選択することもできます。

5.キーワードをタップすると、用語の解説と掲載ページ一覧が表示されます。

この機能により、書籍の重要語句の理解を深める手助けになるだけではなく、自分が注目した言葉や人物以外の重要語にも気づくことができるため、読書の幅を広げてくれるのに役立ちます。
なお、このX-Ray機能は、KindleアプリのサイドメニューでX-Rayボタンが表示される書籍でのみ使用することができます。
マーカー&メモの書き出し機能
次は、マーカーとメモを使った便利機能です。
【方法】
以下の画像のように文章を選択してメニューを表示させます。

1つ目はマーカー機能。
これ単体としてはすでに利用している方も多いのでは無いかと思いますが、いわゆる線引きです。重要だと思った箇所、後で読み返したい箇所などにマーカーを引くという機能ですね。
もう1つはメモ機能。
こちらまで活用している人は少数かもしれませんが、キンドルには、いわゆる本の書き込みに相当するメモ機能が備わっています。それゆえ、先の線引きと併せて、そのページを読んでいて気づいた内容などを本に書き込んでおくことができるようになっています。

それだけなら紙の書籍と大して変わらないのですが、キンドルならではの優れた点は、この書籍に引いたマーカとメモを一覧にして確認できることです。
【方法】
1.以下の位置にある、ノートのアイコンをタップします。

2.ノートとメモの一覧が下の図のように表示されます。各ノートをクリックすると該当のページの飛ぶことも出来ます。

これによって、線引やメモ書きを行った箇所だけをまとめ読みすることができるため、一度読み終わった本の要点だけを確認したい際などに効果的です。
外部ファイルにも書き出し可能(※PC&Mac版のみ。但し字数制限あり)
マーカー箇所とメモの一覧は、外部ファイルとしても書き出すことが出来ます。
【方法】 Mac版のKindleのノート一覧画面から、書き出しアイコンをクリックします。

今のところ書き出しの形式がHTMLしかないのは残念ですが、書き出し後のHTMLをメモなどのテキストエディタなどにコピペして保存しておけば、Kindleが無い環境でも一覧を見返すことができるようになります。
ただし、著作権保護の観点から、以下のようにエクスポート出来るページ数に制限があったりしますので、注意が必要です。

まとめ
電子書籍が登場してもなお、本は電子より紙が良いという方は多いと思いますが、電子書籍のメリットとは、紙媒体と同じ機能を有することにあらず、検索や編集における文字情報の扱いやすさにこそあると思います。
以前に紹介した音声読み上げ機能もそうですが、これらは、従来の読書には無かった体験を新たに提供してくれるという意味で、未来の読書の形であるのだと僕は思います。
個人的には、電子書籍のサービスの作り手であるアマゾンやアップルにこそ、電子媒体であることを活かした更なる読書スタイルを提案する時代が来て欲しいと願うところです。
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