僕がタイ古式マッサージの世界に魅せられたのは2010年の夏のことでした。
初めてのタイ・バンコク旅行で、「バックパッカーの聖地」と呼ばれるカオサン通りを散策していた時のことです。
メイン通りから枝分かれしている小道を抜けたところに、沢山のタイ古式マッサージ店が並んでいることに気付きました。
バンコクの街を歩けば、至る所でマッサージ店を目にしますが、それらはどことなくを雑多な印象を匂わせるものであったりします(よく言われるとおり、性風俗店も多く存在しますが、それらはもう少し分かりやすい店構えをしています)。
ですがこの通りに面しているマッサージ店は、騒々しいカオサン通りの喧噪をしばし忘れさせてくれるような、洒落たたたずまいの店でした。
店によっては、オープンテラスのような場所で外の空気を味わいながらのんびりとマッサージを受けている人たちもいたりして、とても気持ち良さそうでした。
何だか面白そうだな、と思った反面、失礼ながらその頃は、タイにあるマッサージ店は風俗店まがいのものが多いと思っていたので(もちろん実際はそんなことは全くないです)、「まあ、話のネタになればいいかな」くらいに思い入店しました。
するとまあ、中身は拍子抜けするほど真面目なマッサージでした。
というか、すごく良かったのです。
セラピストさんとも色々お話し、最後には記念写真を撮らせてもらったりもして(笑)、その時のタイ旅行で一番の思い出になるくらい素敵な時間を過ごしました。
(写真は、このときに訪れたMadam Joeというお店のスタッフさん。)
その頃はマッサージの腕も何も、全く分からなかったのもかえって良かったのかもしれません。
タイの伝統文化を感じられるお洒落な空間の中でリゾート気分を味わいながら、リーズナブルな価格(200〜300バーツ=600〜900円/時くらい)で1〜2時間もマッサージを受けられるという体験は、日本では考えられない贅沢な過ごし方でした。
日本では、1時間6000円が相場の世界。その半額くらいの安い整体の店には何度か行ったことがありますが、それでも毎週末に気軽に行くという感じではありません。
ましてや高級なたたずまいのマッサージ店は、庶民には縁の無いものだと思っていたので、行こうと考えたことすらありませんでした。(今はむしろこういうお店の方に行くことが多くなりましたが、その理由はまたの機会に。)
だからこそ、この日見たタイ古式マッサージの世界はあまりに新鮮で、強く惹かれるものがありました。これくらい気軽に通える価格で、別世界に出かけたようなリゾート気分を味わえる、タイ古式マッサージの魅力が日本でももっと広まったら良いのにと思いました。
それからというもの、タイではもちろん、日本に帰ってきてからも、気になるタイ古式マッサージの店を見つけて行ってみるようになりました。
色々な店に行くようになって分かったのは、タイ古式マッサージは、セラピストさんによって色々な手技(マッサージの型)があるということです。「一体何種類くらいあるんですか?」と尋ねたことがあるのですが、「最終的には自分で技や流れを考えたりするところまでいくようです」とのこと。
なるほど、見た目以上に奥深い世界なのだなと思いました。
そこから少しずつ、受ける側より、やる側になりたい!と思うようになりました。
タイ古式マッサージを学び始めて思うようになったこと。
それから、日本の大手スクールの短期講座に通ったのですが、最終的にもっとしっかり学んだ方が良いと感じるようになり、別のスクールに入学して、正式にタイ古式マッサージを学び始めるようになりました。
僕の入学したスクールは、○○にある○○○○○○というお店の併設スクールなのですが(今はまだ修行の身であり、お店に迷惑がかかってはいけないので、伏せておくことにします。)、おかげさまで最高の先生に出会うことができたと思っています。
恐らく、この先生に出会っていなければ、今日までタイ古式マッサージを続けていたか定かではありません。
それくらい技術的にも人間的にも信頼を置くことができる先生に出会えたことは、偶然に他なりませんが、大変幸運なことだったと思っています。
僕は、本業を別に持っており、タイ古式マッサージのセラピストとして働く予定は今のところ無いのですが、今日までに習ったタイ古式の技術は、一生の財産としてこれからも磨き続けていきたいと思っています。
ただ、セラピストを生業としていない僕のようなタイ古式マッサージ学習者は、練習相手がいない限り技術が上達しないという問題もありますので、タイ古式マッサージに関する仲間がもっと欲しいと(切実に)思う今日この頃です。
そしてもう一つは、何だかんだ言って、日本でのタイ古式マッサージの知名度はまだまだ発展途上にあると言うことです。
よく聞く、「痛い」とか「エロいサービスがある」というのは都市伝説だと信じたいところですが、実際まだまだこういうイメージを持っている方は少なくないのかなと感じます。
それに、「整体」に定期的行く人はいても、「タイ古式」に通い続けている人というのは、残念ながら僕の身の回りにはまだ1人もいません。
日本には、タイのお店以上に素晴らしいタイ古式マッサージ店やセラピストさんが沢山いるというのが僕の知る印象なのですが、そんな素晴らしいお店でも、その後閉店してしまった、ということは少なくありません。
日本においても、ヨガがある程度の市民権を得てきているのと同じように、タイ古式マッサージは、多くの人を魅力するに値する技術であると確信しています。
そんなこともあって、少しでも多くの方にタイ古式マッサージの素晴らしさを知って欲しいと思い、自分の知っていることを、皆さんとシェアしていきたいと思いました。
まだまだ漠然とした内容ですが、このブログの他のテーマと共に、今後お付き合い頂ければ幸いです。